同じ東京といっても、その土地によって地盤の性質や強度には違いがあります。
一見、同じように見える地面でも、その実態は目では確認できないものです。
賃貸物件を探すときにも、ここでご紹介するような東京地盤図を活用して、土地についての知識を深めておきましょう。

  1. 東京地盤図とは?
  2. 地盤図でわかること
  3. 地盤図の活用方法
  4. 東京の地盤図で注意すること
  5. 東京地盤図で土地を知ろう

東京地盤図とは?

東京地盤図

東京地盤図は、地盤をわかりやすく図式化したものです。
東京の平野部の第四紀地質図の総称として、東京地盤図という言葉が使われることもあります。
実のところ、東京地盤図に明確な定義はなく、地質調査データをまとめただけのマップも、地盤図と呼ばれるケースが少なくありません。
東京地盤図では、東京都建設局が提供する東京の地盤(GIS版)などが有名ですが、民間の企業でも東京の地盤についての情報を提供しています。
ちなみに、東京都建設局の東京地盤図は、地盤調査で得た地質柱状図をまとめたものです。
地盤がどのような地層で構成されているかを柱状に表したのが、地質柱状図。
東京都が提供している柱状図の場合は、粘土質シルトや砂質シルトといった地質が堆積された順に色分けして表示されます。
東京都の東京の地盤(GIS版)は、知りたい場所をマップから選んで地質柱状図が見られる仕組みになっています。
東京地盤図「ボーリング選択」のメニューを選べば、表示されているマップから特定の地点をピックアップして柱状図を表示させることが可能。
住所を入力して検索をする方法もあり、いろいろな使い方ができます。
サイトには操作説明のメニューも用意されているため、素人でもスムーズに地盤の状態をチェックできるようになっています。
表示された結果をプリントアウトしておけば、物件を絞り込んでいくときにも役立つでしょう。
ちなみに、この東京の地盤(GIS版)は東京都建設局のサイトから無料で利用ができます。
地盤についての情報を知りたいときに、すぐに柱状図などの詳しいデータを閲覧できるのが便利な点です。
東京都では、民間の業者から柱状図の提供を随時受け付けており、新しい調査の結果をデータに活用している状況です。

地盤図でわかること

地盤 マンション

地盤図を見てみると、自分がいま立っている場所がどんな土地なのかがわかります。
土地には山地や丘陵地、河谷底といったさまざまな種類がありますが、アスファルトで舗装されていたり建物が建っていたりすると、土地の種類を正確に把握することは少し難しいでしょう。
実のところ、土地はさまざまな地層が積み重なった状態になっていますので、ある程度深く地質を調べないと正確な状態がわからないのが現実です。
東京地盤図のようなボーリング調査の結果を閲覧できるサービスは、目には見えない、土地の中がわかるのが便利な点といえます。
それぞれの地層がどういった順番で積み重なっているかや、各地層の割合などがチェックできるので、土地の強度を知るうえでも参考になるでしょう。

東京都の土地は山地や丘陵地、沖積低地、谷底低地などの複数の種類にわかれています。
山地や丘陵地が多いのは、多摩市や世田谷区などがある西側のエリアです。
また、墨田区や江戸川区などの東京の東側は沖積低地の土地が多いエリアです。
ちなみに、川による浸食や川の堆積物がたまることでできた谷底低地は、東京都のさまざまなエリアに点在していますので、ボーリング調査の結果などを見てみないと正確なところはわからない場合が多いです。
一見、頑丈そうに見える土地も、調査結果をあらためて見てみると、実は地盤が弱かったというケースもないとはいえません。
一般的に地震の影響を受けやすいといわれているのは、沖積低地や谷底低地の土地です。
マンションを借りるときにも、土地の地質を確認してから物件を選んだほうが安心です。

地盤図の活用方法

地盤図からわかることの1つが、土地の強さです。
土地の強度は、どのような地層で構成されているかによってかなり変わってくるのが現実。
例えば、粘土などの地質で構成されている土地は、強度も弱くなる傾向があります。
こういった土地の強さがわかる地盤図を見ると、どんな災害に気を付けるべきか、といったこともだいたい見当がついてきます。
例えば、低地ならば、川の氾濫に注意が必要です。大雨によって川が増水すると、低い土地は浸水の恐れがでてきます。
マンションの場合も、1階や2階の低層階はこのような浸水の影響を受ける可能性がありますので、要注意です。

マンション 地震

また、地震への備えをするときにも地盤図は役立ちます。
例えば、津波などの災害が起きた場合、どこが高台となっているのかがわかればすぐに避難ができるでしょう。
地域の避難場所を普段から把握しておくことは、災害がおきたときに安全を確保するためにも必要になってきます。
また、地盤図を参考にすれば、土地の強度が高いエリアから物件を探すことも可能です。
地震の揺れは地盤によって伝わり方が異なる場合が多く、建物に生じるダメージも少なからず変わります。
強度の高い土地に建つ建物は、揺れ方なども多少軽減されるケースがあるため、地盤図を活用することは災害への対策を立てるうえでも大きなメリットがあります。
地震の際には液状化現象なども起こる可能性がありますが、地盤の質をしっかりとチェックしておけば、リスクの少ない土地を選んで家を探せるでしょう。

東京の地盤図で注意すること

東京地盤図を利用するときには、注意しておきたいこともあります。
地盤図には正確な定義がないため、インターネット上から利用できるものだけでも実にさまざまな種類があるのが本当のところ。
中には、正確な情報が得られないものもあるため、サービスを利用するときには情報の精度や地質柱状図が見られるかどうか、なども確認しておいたほうがいいでしょう。
東京都建設局が提供している東京の地盤(GIS版)や国土交通省の国土地盤情報検索サイトなどは、正確な情報を知りたいときにも利用しやすいサービスといえます。
こういった公的機関のサービスは、客観的な立場から情報が提供されているのがいい点です。
情報の精度も高く、地盤の状態をかなり正確に把握できます。

サービスを利用する場合、少し気を付けておきたいのが情報を入手する時期です。
地盤の情報はコンスタントに更新されていますので、データをチェックしたときから時間がたってしまうと、以前に取得したときと内容に違う点がでてくる可能性があります。
知りたい時点で最新の情報を得るようにすれば、このような問題は避けられます。
民間のサービスを利用するときには、どのような企業が発信している情報なのかを確認しておいたほうがいいかもしれません。
公的機関が提供するデータと比較するなどの方法をとれば、情報の正確さがある程度わかります。
実際、東京地盤図を利用する際には、複数のサービスを当たってみるのもひとつの方法です。
サービスごとにデータの内容が食い違うようであれば、もう少し情報収集を続けてみましょう。
インターネット上のサービスの場合、利用できる機能などが違う場合もあるため、いろいろなサイトを見て、使いやすさをチェックしてみるのもいい方法です。

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東京地盤図で土地を知ろう

東京地盤図を活用すれば、土地のことが把握できます。
土地は、住む家を支えるいわば土台になる部分。
土地について知っておけば、より安心して暮らせるようになるでしょう。
家が建っている地盤の状態がわからない場合、地震や大雨の際に不安を覚える可能性があります。
災害が発生してから慌てないように、日頃から地盤の状態はしっかりとチェックしておきたいところ。
長く住みやすい家を見つけるうえでも、東京地盤図を活用して早めに情報を入手しましょう。